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仙台発。大人の情報誌「りらく」顔語り

岡田 正意(おかだせいい)

岡田 正意

岡田 正意 - おかだ せいい

日本銀行仙台支店長。昭和24年大阪府堺市生まれ。47年、東大法学部卒業後日本銀行入行。平成3年電算情報局システム開発課長、以降大阪支店発券課長、松江支店長、考査局次長などを経て、12年3月から現職。血液型は、曰く「ストレスを溜めないA型」。

 初めての東北勤務に際し、着任当初はかなり緊張していたという。「私のような大阪人を受け入れてもらえる ものか不安で…。でも、本音で話せば問題はありませんでした」。穏やかな物腰、ゆったりとした口調。初対面で 関西人の印象はほとんどない。「酒が入れば大阪弁が出るし、買い物で値切るのは作法と思っていますし。さすがに 藤崎デパートでは値切りませんけどね(笑)」。さりげなく挟まれたジョークに、初対面の空気が和らいだ。
 日本の金融を預かる機関の、東北のトップである。景気動向の調査をもとに、これを報告しながら金融政策を宣伝 して歩く、いわゆるスポークスマン的な仕事がメインだという。「昨今の経済状況では叱られることも多く、なかな か厳しいですよ。でも、本当に日本が良くなるには、思い切った構造改革・規制緩和で、民間の活動分野を広げ、 活性化させないと…」。

 一方で、「日銀の仕事は『倉庫運輸業』に近いところがある。力仕事が多く、地味な部分で頑張っているんですよ」 という。大きな金庫を抱え、一般銀行との間で現金を受け払いしながら、在庫がなくならないよう管理する。また本・ 支店、印刷局の間の現金輸送は、警察に護衛してもらうために、しっかりした輸送計画を立てなければならない。半官 半民の立場にあって、細かな支店網を生かし国庫金・財政資金も扱っている。日銀は、日本経済全体の縁の下の力持ち という訳だ。

 「東北人に対し、関西人からみて羨ましいと思うことがあります」。何かと問えば、『損得抜きの行動力』という。 何か問題が起こったとすると、「関西人はつい損得を考えちゃうけど、東北人は危機の時でも、こうと思えば後先考えず に行動しますよね。素晴らしい」。
 歴史散策が趣味の一つという。「アテルイ、前九年の役、戊辰戦争…。こちらに来るまで不可解だったことが、一年以 上住んだ頃から、だんだんわかってきました。東北人は熱いんですね」。昨今の不況を突破する力は、グローバルスタン ダードでいえば、徹底した損得勘定にあるかもしれない。しかし日本人は、欧米人ほどドライになれないし、人情を大切 にする。「新しい力は、案外、この東北から静かに生まれてくるのかもしれないですね。自分を信じて行動を起こす、 これからの変革にはこういう力が求められるでしょう」。

 常に柔らかな笑みを浮かべ、研ぎ澄まされた深い言葉をスマートに発してくる。場に気分良く引き込まれてしまう のは、こちらが東北人のせいだけではないだろう。
 めっきり日本酒党になったという。「東北はお酒そのものも旨いし、肴との相性を考えますとね。苦手だったホヤも、 新鮮なものと出会って美味しく食べられるようになりました」。好きな言葉は「『忠恕』、自分に忠実に人に優しく…」。
生まれついた人柄なのだろう。どこまでもソフトで、居心地のいい空気を共有させていただいた。



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